Renault Passions

FEATURE

R's Originality #033,

Photo=Etsuko Murakami  Text=Koichiro Imoto
自然をモチーフに作られたルーテシア。ボディに水や煙が浮かび上がる魔法のような演出。来場者を賑わせたニュールノーデザインのコンセプトとは? CAPTUR

02.一般開場に先立ち、デュポン氏によるデザインプレゼンテーションが行われた。

 2008年にローレンス・ヴァン・デン・アッカーがチーフデザイナーに就任して以来、ルノーのデザインは世界的に高い評価を受けている。新たなデザインを支える哲学は「サイクル・オブ・ライフ」。人生を恋、冒険、家族、仕事、遊び、英智の6つのステージに分け、それぞれのシーンにおいて人生の友となるクルマづくりをするというものだ。
 ニュールノーデザインは、2010年発表のコンセプトカー「デジール」から始まり、2012年に欧州デビューした「クリオ(日本名:ルーテシア)」、「キャプチャー」、さらに最新のコンセプトカーや市販モデルへと続いている。2013年には欧州市場でも激戦区といわれるBセグメント(ハッチバックモデルで全長おおむね4.2m以内のコンパクトカー)において、トップシェアを獲得。デザインはその躍進を支えた重要なファクターだ。なぜルノーは短い年月でこれだけ劇的な変化を遂げることができたのだろうか。
 その理由を日本国内で示した例が、「TOKYO DESIGNERS WEEK 2014」だ。デザイン界の第一線で活躍するクリエイターたちからインダストリアルデザインを学ぶ学生まで、デザインに関わる多くの人々が集うアートイベントに、ルノー・ジャポンは「Touch! NEW RENAULT DESIGN」をテーマに初出展した。
 白いパビリオンの屋外に置かれたのは、鮮やかなルージュ フラムの「ルーテシア」。4年の歳月をかけ、デザイン改革の第一作として2012年に世に問い、高い評価を得た。最先端デザインが集結するデザイナーズウィークの場でルノーデザインの存在感を示すのに、まさに適役のモデルだ。
 完全に遮光されたドームの中には出展の主役ブラン グラシエのルーテシアが置かれていた。単なる車の展示ではなく、プロジェクターから極彩色の光線が発され、白色のボディにゆらめくようなテクスチャを映し出すプロジェクションマッピングの素材だ。ボディに手をかざすと、光が波打つように揺れ動く。ボディ表面に直線的なプレスラインを一切持たないという「リキッドメタル」の造形を体感していただくという狙いだ。

天才万博

03.29年目を迎えた東京デザイナーズウィーク。世界中の優れた生活デザインとアートが会場に集結。

04.ルーテシアのボディに手を置くと、その動作にあわせて光が出現。

05.プロジェクションマッピングのテクスチャは豊富なバリエーションを用意。

 一般公開に先立ち、イベント会場ではデザインプレゼンテーションが行われた。ルノー・ジャポン代表取締役社長の大極司は「ルノーは歴史的に、新しいデザイン、面白いデザインのクルマを世に送り出してきた。クルマをデザインすることの素晴らしさを多くの人に伝えたい」とあいさつ。続いてルノー・アジアデザインスタジオ代表のクリストフ・デュポンが、新世代ルノーデザインについて解説。「テクノセンターのデザイン部門には現在、約500人のデザイナーが在籍しています。出身国は29に及び、多くの文化が交じり合う。それが個性的で、かつ新しいデザインを創出する力となるのです」と、ルノーのデザインフォースの原動力について熱く語った。
 「もともとルノーは、人々が生きるためのクルマを作るということをスローガンに成長してきたメーカーでした。いつの間にか我々が見失っていたその本質を、ヴァン・デン・アッカーが思い出させてくれた。もともと皆が心の中に抱いていた思いがよみがえったのですから、たちまち改革に向けて心をひとつにできた。ルノーは違うものに変化したのではなく、まさに原点に立ち返ったのです」
 デュポンは続ける。
「将来のルノーデザインの方向性はすでに明確です。シンプルで人間的なぬくもりがあり、それでいて官能的ななまめかしさを併せ持つ造形を、自然界に存在しない直線を使わず、曲面で構成する。また、造形のために使い勝手が悪くなるようなことは絶対にしない。これがルノーの提唱するヒューマンセントリック(人間中心主義)にもとづくデザインだと考えています」
 今現在も、世界のモーターショーで次々にコンセプチュアルなスタディモデルを発表しているルノー。サイクル・オブ・ライフに基づいたクルマづくり、その原動力となった新世代デザインのさらなる進化に期待が高まる。

06.将来のルノーデザインの方向性を明確に語ってくれたデュポン氏。さらなるデザイン改革に期待が高まる。

07.鮮やかなルージュ フラムのルーテシアを前に、ルノー・ジャポン代表取締役社長 大極 司とデュポン氏(写真 左)のフォトセッション。

08.「The Cycle of Life」のコンセプトビジュアル。生活に寄り添うデザインが表現されている。

TOKYO DESIGNERS WEEK 2014

※掲載情報は2014年12月時点のものです。
※写真には一部欧州仕様を含みます。

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