Renault Passions

A Memorable Drive クルマでお出かけした家族の思い出をめぐる。

R's Originality #041,

Words=Shota Kato
Photos=Nozomu Toyoshima

 伊勢神宮の外宮前に佇む赤い瓦屋根とレンガ組みの白壁が美しい洋館。東京中央郵便局など近代名建築を手がけた吉田鉄郎の設計による大正時代の建物であり、重要文化財にも指定されている。当時は旧山田郵便局電話分室という郵便局だったが、現在はボンヴィヴァンという名のフレンチレストランだ。地元出身のオーナーシェフ河瀬毅さんは、地域の人たちに長年愛されてきたこの美しい建物を、自らがレストランという形で再び活用することを考え、その歴史に恥じない料理とサービスを提供している。そんなフランス料理を生業にする河瀬さんはルノーオーナーでもある。しかも15台も乗り継いできたというのだから、生粋のルノーファンだ。
 歴代のルノー車を熟知している河瀬さんの現在の愛車はルーテシアの限定車、ルーテシア イニシャル・パリ。ベージュ サンドレ メタリックというシャンパンゴールドの専用カラーと上品なレザーシートに一目惚れしたという。河瀬さんは今年で御歳60歳。年齢を重ねるにつれてスピードを感じるよりも、ゆったりと自分の世界に浸れたり、妻の恵子さんと一緒に居られたりする車が好みになってきた。では、若かりし頃はどうだったのだろう。ルノーと出会った頃のエピソードを語ってくれた。

01 02

01.息子さんと親子揃ってドレスアップ。その横には
鮮やかなブルーの5 アルピーヌ ターボが佇む。

02.オープン間もない頃の毅さんと恵子さん。
移転前のボンヴィヴァンの軒先に2台の5を並べて。

 「僕が20代半ばの頃、高性能ハッチバック車をボーイズレーサーと呼ぶムーブメントが流行っていたんです。当時の僕は東京のお店で修行をしていて、富ヶ谷、代々木上原の辺りでルノー 5アルピーヌと出会いました。それがルノーとのはじめての出会いですね。当時の『カーグラフィック』誌のレビューを読んでも評価が非常に高く、単純に憧れてしまった。それで試乗もせずに中古の5 アルピーヌを買ったんです。国産車にはない吸いつくようなハンドリングが大好きでした。それ以来、ルノー車に乗り続けています」。
 自身のエッセイ『人生を愉しむレストラン』(月兎舎、2012年発行)にも「ルノー一筋」という章を設けるほどにルノー愛に満ちた河瀬さん。ルノーに魅了される理由としては、やはりフレンチのシェフを生業にしていることが大きい。フランス人になれなかったとしても、いつでもフランス人の気持ちやスピリットを忘れたくない。食材の買い出しもエクスプレスやトゥインゴなど、必ずルノー車と一緒だった。ルノー車に乗っていると美味しい料理が作れる、ずっと曲げないゲン担ぎだ。「いつか自分の店を持ったらルノーに乗りたい」と、ボンヴィヴァンのスタッフにもルノー愛は影響を与えていた。

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03.5 アルピーヌに乗ってデートに繰り出したときの一枚。
また二人で出かける機会をたくさん作りたい。

04.家族でフランスへ。憧れのアルピーヌ ルマンを前に
息子さんたちと記念撮影。

 「ルノーから感じるフランスのしなやかさみたいなものを忘れたくないんです。常にフランスを感じていることが確実に今のお店を作ってきましたし、僕自身でいえば、ルノーがないと今の生き方さえもなかったと思っていますから。自分の残り少ない人生、これからも生涯ルノーオーナーを貫きますよ。ルノーは、僕がアイデア、ユーモア、いたずら心を無くさないでいられるおまじないのような存在なんです」。
 店名のボンヴィヴァンは直訳すると『素晴らしき人生』。フランスでは、朝からお酒を楽しむ愉快な人たちのことを眉もしかめずにボンヴィヴァンと呼んでいる。ルノーとともに人生を楽しむ河瀬さんはある意味、ボンヴィヴァン。その真っ直ぐで情熱的な生き方は、ルノーが掲げる『Passion for life』そのものだ。

05 06

05.カングーの前身にあたるエクスプレス。
フランスの流儀にならい商用車にデコレート。

06.ブルーグレーの初代ルーテシア。ルーフトップに
自転車を乗せてレジャーを楽しんだ。

Profile

※掲載情報は2015年6月時点のものです。

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