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PASSION FOR FASHION>JULIEN DAVID

Trendy & Cultural #004,

Text:Shogo Hagiwara

パリのデザインと日本が誇るクラフツマンシップの邂逅。

パリで生まれ、ニューヨークでファッションデザイナーの道を志した、ジュリアン・デイヴィッドさん。
その彼が自身の世界観を具現化するために選んだ“パートナー”が、日本のクラフツマンシップだった。

 右にずらっと並んだ、きらびやかなランウェイの写真の数々。これらはすべて2012秋冬シーズンのパリコレクションからのショットだ。アシンメトリーなラペルに独自性がにじむ千鳥格子のトラッドなスーツから、よりストリートを意識したチロリアン地のマウンテンパーカ、そしてそこに合わせられた複雑なパターンと配色のスカーフ。奇抜なところではアタマからすっぽり被った“イエティ(雪男)”スタイルまで……。 これらすべてのウェアが実は「日本製=Made in Japan」と聞いて、ピクリとも驚かない人は少ないのではないだろうか? モデルが身にまとった服のインパクトと、“クラフツマンシップ”から連想するイメージとには大きな距離があるようにも映る……。

 そんなブランドの名は、デザイナーの名前をそのまま冠した『Julien David』(ジュリアン・デイヴィッド)。地元・パリに生まれ、ニューヨークのパーソンズ美術大学で学んだジュリアンだが、文化交流プログラムでの日本滞在を機に、自身のブランドに“Made in Japan”を採用することを思いついたのだという。 「26歳のとき、日仏間で締結されている文化交流プログラムの一環で、日本に滞在しました。来日後しばらくするうちに、日本のクラフツマンシップのさまざまな可能性を発見し、これを用いて自分のブランドをやってみようと決めたのです。使用するシルク、カシミアや特注のスーパーファインコットンなど、使用するファブリックはすべて日本製です」

  ほかにもジュリアンの名刺代わりとも言えるアイテムが、ストリートの要素も加味した大胆なパターンが特徴のスカーフ。この複雑なプリント作業を手掛けているのは、山形にある工房だ。 「特に山形の職人さんたちにスカーフのプリントをお願いしているのは、色の再現性など、プリント技術の精度がどこよりも高いからです。シャープさや色のりなど、デザイナーがイメージする微妙なニュアンスを理解し、一級の職人がよどみない熟練の手際でつくっているのです」 『ジュリアン・デイヴィッド』は、2007年ローンチと比較的若いブランドだが、世界中にファンを獲得、パリの超人気セレクトショップ『コレット』やロンドンの『ブラウンズ』などでも取り扱われている。まさに彼の創作を通して日本の“職人技”が世界へ伝播しているのだ。 「フランスも日本も、クラフツマンシップという意味ではとても懐の深い風土があると思います。それを自分の作品にいかに結合し、可能性を切り拓いていくことができるか、ということに大きなやりがいを感じています」

 19歳で渡米後、プロダクトデザインやインテリアデザインなども挑戦したというが、最終的に自分の“パッション”を表現できるのはファッションと、ココロが決まったという。 「いろいろとトライした中で、もっとも自分にとって自然であり、有機的であると感じたのがファッションでした。ちょうど21歳くらいの時のことです」と回想するジュリアン。以後、彼は服飾のデザインという手段を用いて、いかに自身がクリエティブな制作を続けられるかにこだわりと矜持を持ってきたという。 「僕にとってもっとも大切なことは、ファッションというメディアを媒介に、自分がどれだけ創造的になれるかということです。ただ、それは今なお継続中の大きな挑戦であり、僕の制作活動の原動力となっています」

 大成功を収めた2012秋冬を終え、早くも2013春夏の制作が進行中というジュリアン。今後もファッションを軸にしたさまざまなデザイン活動を、時にソーシャルな視点も付加しながら取り組んでいくという。

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ROWLAND KIRISHIMA'S PHOTO

ジュリアン・デイビッド Julien David

PROFILE

ジュリアン・デイビッド Julien David

1978 年パリ生まれ。19 歳で渡米し、NYのパーソンズ美術大学で学ぶ。『ナルシソ・ロドリゲス』のデザインアシスタントとしてキャリアを積んだ後、『ラルフ・ローレン』に移籍。同社パープル・レーベルのウィメンズデザイナーとして、おもにテイラードアイテムなどを担当する。2007年『ジュリアン・デイヴィッド』立ち上げ。すべては日本製にこだわり、最高級のマテリアルをサブカルチャーやストリートに想を得たデザインと掛け合わせることで、ウィットに富んだラグジュアリーなコレクションを発表する。

掲載情報は2012年5月時点のものです。

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※写真には一部欧州仕様を含みます。

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