Renault Passions

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Trendy & Cultural #010,

Text:Shota Kato

ルノーと映画の関わり、フランス映画とルノーの車づくりの共通項とは?

『フランス映画祭2015』で話題のフランス映画『チャップリンの贈りもの』に見る“フレンチイズム”。その哲学はルノーにも当てはまるものだった。

ルノーと映画の関係

ルノーはフランス文化の普及活動の支援として、フランスにまつわる様々なアクティビティをサポートしている。その最も代表的な例は限定車「ルノー キャプチャー カンヌ」発表会レポートでもご紹介した、1983年から30年以上も続いている『カンヌ映画祭』との関係だ。

前述のレポートと重複するが、ルノーは世界で最も豪華絢爛な映画祭として知られるカンヌ映画祭のオフィシャルパートナーにあたる。その役割は各国のセレブリティを送迎する車両の提供。彼らがルノー車から降り、そのままレッドカーペットに踏み出すシーンはもはや映画祭の風物詩となっている。そんなルノーのカンヌ映画祭への功績に応える形で、エレガントな雰囲気漂う映画祭を表現した「ルノー キャプチャー カンヌ」が発売されたのだった。

フランス映画とその起源

そもそもフランス映画とはどのようなものなのだろうか。フランス映画は、アメリカ映画に代表されるような大衆向けの商業映画とは異なり、監督や脚本家の独自の美学や哲学が濃厚に投影された個性あふれる芸術作品が多い。

映画という芸術自体を発明したのは、リュミエール兄弟というフランス人であることはご存知だろうか。彼らが1895年に公開した『ラ・シオタ駅への列車の到着』は史上初の映画作品にあたる。つまり、フランスは映画発祥の地なのだ。ちなみに彼らのスタジオがあったパリ郊外のブローニュ ビヤンクールは、当時ルノーの工場も構えられていた街である。その縁から『ラ・シオタ駅への列車の到着』にはルノー車が起用され、ルノーは映画創成期に映されたはじめての車とされている。

ルノー・ジャポン、オススメのフランス映画

ルノーと映画の関係に触れた上で、ルノー・ジャポン株式会社から話題のフランス映画をご紹介したい。その作品とは、フランス映画祭2015の正式出品作でもある『チャップリンからの贈りもの』(7月18日より全国順次ロードショー)だ。ストーリーは1978年にスイスで実際に起きた“チャップリン遺体誘拐事件”をヒューマンドラマ化したもの。貧しい移民の二人組による犯行という事実を元に、何をやっても失敗続きの二人、エディ・リカルトとオスマン・ブリチャが、家族や仲間の愛に支えられ、やがて自分の生きる道を見出してゆく。

本作の監督と脚本を務めるのは、過去に『神々と男たち』でカンヌ映画祭グランプリを獲得したグザヴィエ・ボーヴォワ。緻密な作風で知られる彼はチャップリンへのオマージュを様々なシーンに盛り込んでいる。その敬意はチャップリンの出演作から名シーンを引用するだけに止まらず、チャップリンの遺族が家族役として出演したり、邸宅や墓地もロケ地として使われたりと、映画化にあたり遺族からの全面協力を得る形となった。一つひとつのオマージュに、チャップリンのピュアでありながらどこか切ない芸を感じることができるだろう。

もうひとつ特筆すべきはフランスが誇る映画音楽の巨匠、ミシェル・ルグランが手がける劇中音楽だ。最も印象的に使われているのはエディがオスマンに犯行を持ちかけるシーン。意見が噛み合わない二人の激論に被さる形で豪華絢爛なオーケストラ演奏がフェードインし、会話をかき消す。流麗な風格あるオーケストラは登場人物たちの揺れ動く心情を代弁する重要な役割を担っているが、チャップリンの出演作が無声映画ということを踏まえると、チャップリンらしさを表すことにも成功している。

世界を見据えながら個性的であるということ

このように、監督・脚本家であるグザヴィエが一人の作家として、または彼と音楽を担当したルグランが集合体の作家として、ひとつの芸術作品を創り上げている点こそが『チャップリンからの贈りもの』、ひいてはフランス映画の面白さである。そして、センスあふれる映像と音、緻細な描写と洒落た会話を散りばめながらも、温かな人間愛という普遍的な心情をリアルに、ときにコミカルに描いたこの作品は、高い評価を受けている。その一方で、街並みや生活感といった部分はフランス以外の何物でもない個性だ。そこにはルノーが車づくりの上で大切にしている“フレンチイズム”を感じさせる。

現代において求められるのは、世界を見据えたものづくり。“グローバルであること”は映画も車も同じだが、その国らしさ、つまりルノーならばフランスらしさを失っては誰も振り返りはしない。ルノーは日本に向けて右ハンドル車をつくるが、ハンドルの位置以外はフランス本国のルノー車のままであることがほとんど。その理由は、車からフランスの匂いを感じてほしいから。

2015年のカンヌ映画祭は最高賞にあたるパルムドールや男優賞、女優賞など、主要な賞を多数のフランス作品とフランス人が獲得した。フランス映画の魅力が再発見される今、ルノー キャプチャー カンヌのようなフランスらしさにあふれた車を発表できたことからも、まだまだフランスに満ちたトピックが続きそうだ。

<INFORMATION>

チャップリンからの贈りもの

第71回ヴェネチア国際映画祭 コンペティション部門正式出品
釜山国際映画祭2014 正式出品作品|フランス映画祭2015 正式出品作品

監督:グザヴィエ・ボーヴォワ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:ブノワ・ポールヴールド、ロシュディ・ゼム、キアラ・マストロヤンニ

2015年7月18日(土)YEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座他全国順次公開
配給:ギャガ
©Marie-Julie Maille / Why Not Productions

チャップリンからの贈りもの 公式サイト(http://chaplin.gaga.ne.jp/

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※写真には一部欧州仕様を含みます。

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